第3回企業懇談会の報告
毎年、企業経営のトップの任に当たられている方々をお招きして開催している<企業懇談会>
も第3回となりました。今回は、これまでに話し合われた1回目、2回目を基にしながら、
将来の秋田を担う若い人材をどう確保し、またどのように育成していくのかについて、
【企業における人材確保の手法とサポステの果たす役割】をテーマに、企業を代表して出席いただいた方々から話を伺いました。
<第3回 企業懇談会>
主 催: 秋田県南若者サポートステーションよこて
実施日時: 令和元年10月16日(水)
午後2時~4時
実施場所: 秋田県立近代美術館 6階研修室
参加企業: 横手市、大仙市の各企業10社
ファシリテーター:(株)あきた総研 代表取締役 須田紘彬 様
テーマ:「企業における人材確保の手法とサポステの果たす役割」
【話題としたポイント】
A 企業における人手不足について
B 無業者の雇用とサポステへの期待
【企業の代表者からのご意見や提供された話題(抜粋)】
A-①若手の応募や離職状況について
ア.いくつかの企業では、若手あるいは学卒者の応募が少なく、また中途採用にも
困難な面のあることが課題となっている。
イ.若手の離職が目立ってきていることに危機感を抱いている。
ウ.仕事上必要とされる有資格者の確保が困難な状況だ。
エ.人手不足のために省力化を進めると、職場内でのコミュニケーション不足に
つながってしまう。
などの感想、意見が出され、若い人材をどのように引き寄せ、社内で育成しようと
しているのかを知ることができました。
A-②人手不足に対処する工夫について
ア.県で行っているAターンフェアに参加するなど、県外から人を呼ぶことで
企業を守っていきたい。
イ.キャリアアップ・ステップアップができる社内体制や各種休暇制度
および研修制度を検討・実施中。
ウ.学卒者向けの企業説明会に参加するだけではなく、出前講座で学校に出向き、
製品を持ち込んでPRしている。
エ.女性が活躍する姿をアピールしたり、将来を担う子供たちと一緒にやれる
ことはなにかを模索することで、地域に深く根差し貢献する企業としての
姿勢を見せたい。
オ.社員間とくに上司、部下の間のコミュニケーションの雰囲気をつくるよう
に努力している。
などのお話がありました。どの企業も社外に対する企業の効果的PRに注力しつつ、
社内にあっては、勤務体制の整備やステップアップにつながる研修制度の構築と
実施に取り組み、若者が魅力ある企業として選択し、かつ人材として定着できる
ように様々な工夫を凝らしていることがわかりました。
B-①職場環境の整備について
ア.社員がみんなで助け合いサポートし合う形ができあがっている。
イ.利用しやすい休暇制度をつくるなど、様々な要望に対応している。
ウ.福利厚生に力を入れている。
エ.本人のバックグランドをきちんと理解し、作業を分解して仕事ができる
ように、教育する人のスキルを重視している。
オ.社内での理解を得るために、サポステや支援を受けている方々の
事前のPRがもっと必要ではないか。
などの報告や意見が出されました。
多様な人材がその能力を生かして、多様な内容と時間で働くことができ
るように、サポートステーションとして、さらに企業に働きかけていきた
いと考えています。
B-②サポステに対する期待
ア.サポステも支援者側として、企業が必ずしも見抜けないところや
対応が困難なケースに寄り添った体制が欲しい。
イ.就職後の支援の形が見えず、活動内容が企業に伝わっていない。
ウ.就職決定をスタートラインに位置付けるための概念を取り入れる
べきだ。
就職に向けた活動の中に、事前に企業に対し伝えておくべき情報の
共有化を進めるための具体的な実行策を早急に検討していきたいと
考えます。
【まとめ】
懇談会に初めて参加した企業が半数近くあり、主催者として、事前の
事業および実績説明をするべきでした。
いただいたご意見や感想を参考にして、就職が決まってからのフォロー
の具体的な内容について、企業に知っていただくとともに、事業内容の
さらなる周知と理解・協力をいただけるように改善して参ります。
この懇談会は、様々な業種や規模の企業主が一堂に会し、懇談を通して
互いの情報を交換し、自社にはない他社の取り組みを参考にできる貴重な
場であり、それらの一つ一つはサポステが今後の支援事業を展開する上で
重要なヒントとなり得るものと考えています。
この会の開催に尽力いただきました、ファシリテーターの須田様、
ならびに県立近代美術館、横手市、そして、なによりも大変にお忙しい中
貴重な時間を工面して参加の英断をしてくださった企業代表の方々に深甚
なる感謝の意を表します。
令和2年1月 センター長 草薙正哉